伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

「Book Hole」-本の穴

syncrokun2009-09-04

書店を長らくやっていていると書籍(写真集やヴィジュルア・ブックなど)そのものの情報はある程度蓄積されていくが、皮肉にも、反面、そのことによってこぼれてしまう別の面が必ずでてくる(人にも、能力にもよるでしょうが)。たとえばジャック・ピアソンの場合、当店でも1995年に刊行された写真集『All of a Sudden』など、扱っている写真を通して最初に彼のアートワークを知り、それが繰り返されると、彼の別の顔(アーチストとしての)の情報に接しても、書店の習性として、またその本(写真集)に思考や指向が舞い戻ってしまうのだ。そうした「Book Hole」(本の穴-Black Holeにちなんで私がつけた現象の名)を回避するためにも、現在、継続的に作成している「Art Bird Q'bic」はなにかと優れているところがあります。もちろん本は素晴らしいものでもあって、本の穴にどんと落ち込んであれこれ徹底的に思考するこがある時期すごく重要だとおもうのです。ただずっとそのままだと、それが別の次元からみると、「Book Hole」だということに気づかないことになります。気づいて、それで気のおもむくまま本の森に入りこむ、それがきっといいのでは、とおもうのです。