伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャック・ケルアック(4):プロのアメフト選手になろうと夢見る

www.youtube.com ジャック・ケルアック(3)から: 15歳の時、父の印刷所が破産。家族から働きに出るよう懇願される。作家への夢、諦める 14歳の時(1936年)、父の印刷所「Spotlight Print」が、氾濫したメリマック川に飲み込まれてしまいます。川の氾濫の…

ジャック・ケルアック(3):自らつくった「新聞」を発行

小学校時代についた渾名は「メモリーベイブ(記憶の天才)」。11歳「日記」を書きだし、自らつくった「新聞」を発行。15歳、父の印刷所が破産。作家への夢、諦める。アメフトに熱中 ジャック・ケルアック(2)からの続き: 小学校時代についた渾名は、「メモ…

ジャック・ケルアック(2):慕っていた4歳年上の兄の死と家族の困難

www.youtube.com 町のコミュニティーも、ケルアック家の日常語はフランス語だった ローウェルの町では、フレンチ・カナディアン(フランス系カナダ人)は、植民した18世紀からこのかたニューイングランドの支配者たちから疎まれていたといいます。その結果、…

ジャック・ケルアック(1):ケルアック家の「ファミリー・サガ(家族の物語)」

若い頃、父から聞かされたケルアック家の「ファミリー・サガ(家族の物語)」。印刷会社を経営していた父は、かつて地元のフランス語新聞社でライター兼活字打ちとして働いていた。 www.youtube.com フレンチ・カナディアンとして幼い頃から親しんだフランス…

竹久夢二(1):「夢二ワールド」の根源になった生まれ故郷

「夢二ワールド」の根源になった郷土。3歳の頃から馬の「絵」を描きだす。大好きだった6歳年上の姉。「写生」に革新をもたらした担任の先生 www.youtube.com はじめに: 夢二の”樹根”が生み出した発想力 多くの書籍の装幀や挿絵にもなった哀愁をたたえ、「…

竹久夢ニ(2):女性と接する度合いが多かった幼少期

www.youtube.com 竹久夢ニ(1)から: 3歳の頃から馬の「絵」を描きだしていた 邑久町の旧正月は賑やかでした。とくに西大寺の観音様の会陽(えよう)「裸祭り」には、父・菊蔵も張り切って繰り出したといいます。 母と夢二たちが田舟に乗って数日後に出向…

ジェームズ・ダイソン(2):「ランニング」「絵画」と「木工」が得意に

www.youtube.com 周りには「歯が立たないことにあえて挑む頑固で意地っ張りな子供」と映っていたダイソン少年は、一方でかなりの無精で(後に好奇心の塊になるダイソンであっても小さな頃はかなり無精な性格だった)、友達もうまくつくれず陰気になるばかり…

パウル・クレー(3):母が全身不随の病、一家の風景が一変

「音楽」への愛が深まったにもかかわらず、 「不安」が生じてくる www.youtube.com パウル・クレー(2)から: 10歳の時、少年パウルはギムナジウム(高等中学)に入学します(入学試験は免除されている)。学校では当初、とりわけ生物学や数学、古典語と、…

パウル・クレー(2): パウルから流れ出てくる「異常な力」

音楽への深まる愛と不安。母が全身不随の病に。疲れ知らずの「読書家」。父の反対を押しのけ、母はパウルをミュンヘンの画塾に送り出した。パウルから流れ出てくる「異常な力」とは www.youtube.com 物事に没頭しだすと異常なほどに熱心に 3歳頃までの幼い…

パウル・クレー(1):「童話」がよく読まれた音楽一家だったクレー家

音楽一家だったクレー家では、「童話」がよく読まれた。絵の手ほどきをした祖母。物事に没頭しだすと異常なほど熱心になる気質。7歳の時、ヴァイオリンを習いはじめる www.youtube.com はじめに: 長い間、一家の大黒柱はピアニスト教師の妻で、 クレーはず…

イサム・ノグチ(3):何になりたいという目標に欠けた子

www.youtube.com イサム・ノグチ(2)から: >>「ぼくは母の想像力の落とし子なのかもしれない」と語っていたイサムですが、父の生き方もまた含まれねばならないこと、そして2人の生き方の軌道が交点を結ばなかったことを次のように語っています。「ぼくの…

アンドリュー・カーネギー(3):叔父の「教育方針」方針と「記憶力」

www.youtube.com アンドリュー・カーネギー(2)から: そしてもう一人、A.カーネギー少年に特段に影響を与えた人物がいました。ラウォーター伯父でした。伯母を亡くした伯父は一人息子(アンドリューにとって従兄弟)とアンドリューと、よく3人で一緒にい…

立花隆(2):読書好きになった環境

www.youtube.com 立花隆(1)の続き:立花隆は自身の若い頃からの放浪癖は、伯父(4人兄弟だった父の一番上の兄)の血筋を引いたのではないかと語っていますが、その伯父は最後には東京・三谷に辿りつき居着いています(隆志少年は”三谷のおじさん”と呼ん…

尾崎豊(3):母の気象・気質が受け継がれた

母の気象・気質・性格は、兄よりも弟・豊に受け継がれたようです。尾崎豊の「心の樹」は、尾崎ファミリーそれぞれと強く重なりながらも、とくに母親と最も深く重なっていたとおもわれます。母の死後4カ月後に尾崎豊が突然不慮の死を遂げたのも母の死と決し…

田中一光(3):キャスティングの手習い

www.youtube.com 田中一光(2)から: 鐘淵紡績への入社において一光が希望したのは宣伝(まだ世は「宣伝・広告」の時代ではなかった)でしたが、配属先はテキスタイルの意匠室でした(室長は佐伯祐三と画家をめざしパリ留学した人物でプリントデザイナーに…

ウィリアム・モリス(2):ロマンス小説に耽溺

ウィリアム・モリス(1)から: 8歳の時、父に連れられてカンタベリー大聖堂を訪れていますが、そのとき天国の門が開かれたような圧倒的な印象をもちます。9歳、少年モリスはパブリック・スクールに進学するための私立小学校に入学。13歳の時、父が死去。…

宇野亜喜良(3):父が隠し持っていた「春画」の影響

春信 美人画と艶本 (とんぼの本) 作者:真一郎, 中村,順子, 佐伯,忠, 小林,美一, 林 新潮社 Amazon 宇野亜喜良(2)の続き: 飛行機や汽車の絵に飽き足らず、否、むしろ講談社の「絵本」の挿絵を好み「模写」し腕を上げていた亜喜良少年が、妹の『それいゆ』…

サティ(2):「変わり者」の遺伝子

www.youtube.com この父アルフレッド・サティなくして、エリック・サティは生得の才を宿すことも伸ばすこともなかったとおもわれます(最もかなりねじれた枝葉の様に)。 父アルフレッド・サティは「音楽マニア」でした。音楽好きだけでなく「言葉」にも長け…

ル・コルビュジエ(3):「東方への旅」の前に

ル・コルビュジエの有名な絵画の複製「手が頭上を横切った」キャンバスプリント。抽象壁画50x65cm(19.7 "x25.6")フレームHUUDNHYKAmazon コルビュジエ(2)の続き: ここでコルビュジエの家系と祖先について確認しておきましょう。というのも「ル・コルビ…

柳田国男(2):祖母が残していった書籍

www.youtube.com 儒学者、神官、医師、教員と、転職を繰り返した父ところが「明治維新」で西洋式の教育方法が導入され、姫路の町学校は廃止。松岡操は職を失い、故郷辻川に戻り漢方医・儒学者の仕事を再開しましたが、医師制度の大改革に巻き込まれてしまい…

柳田国男(1):父と母の立場が逆転していた生家

毎晩「お化けの話」など話を聞かせた父。父と母が逆転していた生家松岡家。儒学者、神官、医師、教員と転職を繰り返した父。残された祖母の蔵書 はじめに: 80歳を過ぎた晩年、自ら「柳田国男の誕生」の謎、 「幼年期」へと向った 『遠野物語』『先祖の話』…

ビートたけし(2):幼少期からある「遊離魂」的な感覚

www.youtube.com ただ母さきが自身の置かれた状況における「違和感」は、たけし自身が幼少期から大人になってからも絶えず感じる「遊離魂」的な感覚と微妙に重なるものがあります。たけし自身は、父と一緒に汚い仕事をやっている時に、好きな女の子見られた…

メッシ(2):重要だった祖母の存在

www.youtube.com 両親の祖先はイタリア系です(スペイン系も一部あり)。もともとメッシ家はイタリア中部のマルケ州にあるアドリア海沿岸の町ポルト・レカナーティの出でした。 19世紀の終わりにアメリカ大陸へ大勢の者たちと一緒に3等線室に乗り込んでやっ…

坂口安吾(2):幼少期に始まっていた「切なさ」の感覚

「私は私の気質の多くが環境よりも先天的なもので、その一部が母の血であることに気付いたが、残る部分が父からのものであるのを感じていた。私は父を知らなかった。 そこで私は『伝記』を読んだ。それは父の中に私を捜すためであった。そして私は多くの不愉…

野田秀樹(2):芝居の”根っこ”にあるもの

www.youtube.com 野田秀樹(1)より:4歳の時に崎戸の島を離れたので崎戸の記憶はかなり薄いといいます。 しかし東京での幼稚園(マリアの園というミッション系幼稚園)に入って以降、ずっと忘れたことがなかったという孤立感は、やはり崎戸の島から根っこ…

宮沢賢治の多面体の根っこ(2)

母方は、花巻銀行から花巻温泉、岩手軽便鉄道の設立に参画 www.youtube.com 宮沢賢治(1)の続き:一方、母方の宮澤で(鍛冶町宮澤家)の祖の宮澤孝作(1831年没)は優れた棟梁で、手がけた神社仏閣は現在もあちこちに残されています(花巻文化財指定の鳥谷…

白戸三平(2):真田村での農業と自然に依拠した生き方

www.youtube.com 白戸三平(1)より:息子・登(三平)が誕生した年、特高に検挙・投獄されています。特高警察の拷問から脊椎カリエスを発症(力仕事ができなくなる)。その翌年に、小林多喜二の死顔を描いています。現実会の結成、日本美術会の結成に参加…

ロバート・メイプルソープ(2):「ホモセクシャル」なのではないかと不安に

ピカソの影響でキュビズム風のマリア像を描きだしたロバート・メイプルソープ。13歳、「ホモセクシャル」なのではないかと不安に。16歳、ゲイのポルノ雑誌で衝動がはじける。軍隊栄誉学生団体に加入 www.youtube.com 中学生になり、マンハッタンに出かける許…

ロバート・メイプルソープ(1):アクセサリー好きだった男の子

エンジニアだった父の趣味は「写真」と「射的」。カトリック教会で培われた世界観と「ものの配置」。アクセサリー好きだった男の子 www.youtube.com はじめに:メイプルソープ理解の鍵は、間違いなく幼少期にある ブラック・アンド・ホワイトの気韻漂うポー…

M.C.エッシャー(2):「木材」「幾何学」への関心

<< 「木工工学」とM.C.エッシャー「版画」の世界。そうなのです。M.C.エッシャーは父の「木工」の世界を、自身のかたちへと変換し受け継いだといえるのです(と、同時に父の内面すら受け継いでいった)。 そんな父エッシャーは明治6年から5年間にわたって…