伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

内田百�(ひゃっけん)(1)

「百�(ひゃっけん)」とは郷里・岡山を流れる川の名前。名作「冥途」や「花火」など何篇もの作品の冒頭はその土手からはじまる。婆やからいつもきかされた「因縁話」。生家は造り酒屋で、中学までは「若旦那」気取りだったが店は父の放蕩で潰れる

黒澤明監督の遺作ともなった映画『まあだだよ』(1993年公開)は、内田百けんがモデル。還暦を祝ったのにまだ死なないので大学の教え子たちが集まってくるのが「摩阿陀会(まあだかい)」だった。最後は、隠れんぼをしていた少年がふと夕焼けを見上げるシー…