伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

ヨゼフ・スデックのマインド・ツリーへ

syncrokun2009-08-22

現在、プラハの光の魔術師と呼ばれた写真家ヨゼフ・スデックの「マインド・ツリー」を制作中。スデックの「マインド・ツリー」は1カ月半前に少しはじめていて、その折りにはスデックの本物かと見まごうばかりの彼自身の動画がYoutubeにあり、その歴史の闇からぽっかりと浮かびあがってきたかのようなスデックをとらえた姿に意識をすとんともっていかれてしまったままでありました。そのスデックの動画は、http://artbirdbook.comから、トップページの下、Youtubeで写真家を見る、のコーナーで見てみてください。なぜあんな動画があるのか(スデックは1976年、80歳で亡くなっています)不思議ですが。とにかく第一次世界大戦時に片腕を無くし(味方の兵士の手榴弾の破片があたってしまったのだ)失意のまま晩年までプラハを出ることもなく(場合によっては自宅から出ることもなく)といった伝説と化したストーリーは、あのいっけん詩的な写真がうながしてしまったものなのでしょう。とにかくも第二次大戦前まで世界の芸術の町の一つとなったプラハをスデックはめまぐるしく動きまわり(歩く速度は動画でもわかるように高速だ)、プラハ城の大聖堂の建築を記録し、出版社から広告写真の依頼、画家やコレクターやプラハのナショナル・ギャヤリーからは美術作品の撮影の依頼が殺到しなどなど、孤高の写真家のイメージとはかなり異なるのだ。もっともプロの写真家としての職業証明書を得ていなかったのであれこれクレームはつけられたらしいが。スデックの「マインド・ツリー」をつくることは、プラハの町の変化もその背景に押さえておくべきなのでスデックのQ-bicの制作と同様、何度かアップデートが必用だ。スデックは美術作品の撮影を依頼された時には、きっちりとそのアーチストのバックグラウンドや表現の目的などを調べあげてから時間をかけて撮影にはいったので、そのスデックの姿勢を少しはみならってやらなくてはならない。