アジェは夏目漱石の10歳年上。

今日はウジェーヌ・アジェのコンテンツをupdateです。とにかく気になってしょうがなかったので遅ればせながらになってしまいました。併せて「マインド・ツリー」も少しばかりすすめました。アジェは同じくフランス人のラルティーグよりも35歳以上も前に生まれていて（1857年生まれ）、かなりの先達にはちがいありませんが、アジェの足跡を辿ると、あの夏目漱石（慶応３年、1867年生まれ）より10歳ご年配なのですが、夏目漱石よりもより身近に感じてしまうのです。その理由は彼の撮った写真です。エッフェル塔などモダンなものには目もくれず（戦術的なわけでです）、オールド・パリにレンズを向けていった。けれども「鏡の都市・パリ」の魅力にはレンズをやはり向けモダンなショーウィンドウも撮っていますし、お父さんがかつては馬車製造職人（後に旅商人）だっただけに乗り物や動くものにも少ないけれどもそれなりに目を向けています。ラルティーグの時代とちがってビューカメラとガラス板では静止した乗り物だけだったが。アジェの写真はベレニス・アボットが撮ったポートレイトばかりが紹介されるので（1927年にちょうどアジェが死去した年にアボットが撮ったもので、外出もほとんどせずアルコールを口にしはじめていたので、かえって神秘さと独特な雰囲気を醸成しています）、次の30代後半から40代に撮られたアジェのポートレイトをみると異なるアジェへのイメージが沸き立ってこないだろうか。