伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

サンタクロース・インスピレーション!


映像はイタリア・バリ(Bari)の聖ニコラ・教会の聖ニコラ。現在のあのふくよjかなサンタクロースのイメージはなくキリストのうように痩せ細っています。聖ニコラ(ギリシア語・ラテン語ではニコラウス)は、4世紀頃の東ローマ帝国小アジアの司教(主教)さんです。現在のトルコ南部の海辺の小さな町で生活していた歴史上の人物です。おおまかな詳細はウィキペディアで確認していただくとして、彼の慈愛の伝説が後年、後に資本主義がもっとも早く開花するオランダに至って、そのオランダがニュー・アムステルダム、つまりニューヨークを収め、同時に聖ニコラの伝説とスピリットが物語化し、商品経済と仲良くなっていったことはすでにいろいろ知られているところです。ある意味、ここでもまたトルコです。世界遺産のサイトでもトルコはヨーロッパになっていますし、サッカーもEUもすでにアジアのイメージからヨーロッパのイメージにシフトしはじめています。おそらくサンタさんの流れ一つとってみても、大きな歴史のうねりと物語化とその背景のなかにインスピレーションのリレーション(連鎖)が、それこそサンタさんが抱える白い袋のなかのプレゼントのようにつまっているとおもいます。そういえば歌舞伎座で、野田秀樹脚本の「野田版・鼠小僧」は、ひとに施しをすると死んでしまう棺桶(かんおけ)屋の「さんた」(中村勘三郎)が、鼠小僧に成りきってひと騒動を起こす、「日本版サンタ=鼠小僧」になっています。4年前とまた再び観ましたが、じつに面白いです。一幕見で、1200円であれだけの芝居がみえてしまいます。まだの方はぜひご覧下さい。2時間並べば一幕観で観れます。ひとに施しをすると、死んでしまう人は現在もたくさんいるわけで、死んでもはなさないぞ、という心根はどのあたりからそうなってしまったのか、ぜひあらためて知りたいものです。

以下、4年前の時の「野田版:鼠小僧」これはシネマ歌舞伎予告篇