伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

サン=テグジュペリ inspiration!


超有名な『星の王子様』の著者サン=テグジュペリの半生をちょっと調べることがあってあらためて再認識することがいろいろありました(アートバードのサイトで2月頃に展開するコンテンツにかかわるものですが)。サン=テグジュペリはこう語っています。「飛ぶことと書くことはまったく一つなのです。肝心なのは行動すること、そして自分のいる位置を自分自身のなかで明らかにすることです」。なるほど。確かに「書くことと、飛ぶ事が全く一つのパイロットなど世界を見渡してもそうたやすくはいないでしょう。『星の王子さま』となると、6歳でいったんやめたという絵を描くことも、融合させてしまった結果できあがったものでした。今日のインスピレーションは、たとえば「書くこと」を「書くこと」だけに収れんさせていける人と、幼少・少年期の記憶や感性が大きすぎ「書くこと」だけに集中できないとき、サン=テグジュペリのように「書くこと」と「泳ぐこと」とか「雪の上をすべること」など何か自分自身にとってコアで阿須背無い物を組み合わせてみる、ということなのです。ピックアップした『夜間飛行』は、27歳の時、郵便飛行の仕事でアルゼンチンのブエノスアイレスに着任した1年半の間に複眼的ルポルタージュの方法で書きあげたものです。当時の飛行機を郵便で使用するのは、第一次世界大戦の終焉で利用されずにいた戦闘機を平和利用したもので、飛行機乗りの若者を夜間に飛行させ、どこよりも早く郵便をフランスに届けるという新事業だったようです。最初の小説『南方郵便機』もカサブランカなどフランスのアフリカの植民地との郵便飛行を題材にしたもので、実際、サン=テグジュペリが赴任していた仕事場や仕事を描いたものでした。そしてその作品もサハラ砂漠に面したオフィスにいる際に書かれたものでした。『星の王子様』はもちろんですが、その作品がうまれるまでのサン=テグジュペリの半生はなかなかのインスピレーションを与えてくれます。