デレク・ジャーマンの庭を歩く
長らく絶版になっていて数年前にも再販(英語版)された「デレク・ジャーマン’ズ・ガーデン」(デレク・ジャーマンの庭:この書籍はデレク・ジャーマンの最後の本となった)は今どうなっているのだろう。動画で確認してみるとやはり見に行っている人がいた。その人に便乗して、というかその人の気持ちと感性とともにデレク・ジャーマンの庭を散策してみよう。ちなみにこの場所はロンドンの東南のケント州にある小さな港町(ダンジェネス)で、第一次世界大戦後にすでに貨物列車に利用されていた廃材となった貨物を利用して多くの人がこの地にバガボンドのように暮らしていた場所のようです。米国のウッドストックも1969年のあの記念碑的イベントの遥か昔に英国からわたってきた詩人やアーチストやジャーナリストたちがこっそり暮らしていた場所だったそうだから、「場」というものはやはり特別な空気や匂いを発しつづけているのだろう。日本ではそれを「地霊」とか言いますが。デレク・ジャーマンの庭にはその地の原生植物(代表的なのはエニシダ)とジャーマンが持ってきて移植した草花が共に咲いています。日本の薔薇も植えられています。この本の後半頁にはモネで有名なパリ郊外のジベルニーの庭に行った時の写真も掲載されていますが、かなり病状がすすんでいるようで頬が痩せこけています。デレク・ジャーマンは子供の頃から庭が好きだったそうです。カバージャケットの裏に映っている後方の四角い建物は、恐らくこの小さな海辺の町につくられた原子力発電所の姿です。動画にも映っているかな。庭から地続きでつながっているそう遠くないところにあfる大きな建物がそれです。