伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

ブルーノ・タウト 世界遺産・緑の住宅インスピレーション


ドイツは世界で4番目に世界遺産が多い。そのうちの一つに20世紀にはいってから、たかだか80余年しかたっていない世界遺産があって、それを先日偶然にTVで見たのだが、なるほどと膝をうった。青山の円形劇場のように、舞台や建物を円形にしてみると、芝居の発想-舞台美術から役者の出入り、本の構成からすべてにわたって考えざるをえないように、住宅も円形(上の動画は馬の蹄の形-労働者階級のための住宅。設計されたのは1920年代)にすれば瞬く間に景色も感性も様変わりする。円形ならば中央の樹木のある庭園もどこの部屋からでも楽しめるわけだ。ブルーノ・タウトは「窓から見える空間も居住空間だ」と語っていたという。私が20年以上前、学生時代に下北沢に住んでいた時のアパートは、かつて旅館だったようで「コ」の字状で2階建てになっていて、日本の旅館には中庭をあちこちから楽しめるようになっているので、景色の変化が好きな自分にとってはそうした空間の使い様は見事なものだ。昨日のアイ・ウェイ・ウェイもそうだが硬直した視軸を解き放ってみることだ。ここ目黒区だけではないが、都下は川(支流)に沿って住居をうねうねと建て、緑と水の構想が推進されているが、ちょっと遠くに散歩をしてみると、しばしばそうした光景にぶつかってハッとさせられることがある。「川の流れのように〜」住むのもいいものだ。