伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

バッハ BWV 639 Color Organ inspiration!


この曲は、昨日、ソクーロフ監督のところで少し書いたタルコフスキーソラリス』の中で用いられている曲です。妙にこの曲の響きが好きで、よく流していました。当時はレンタルで聞いていたので、どの曲かすっかり分からなくなっていましたが、こうしたかたちでまたここで聴けるとは。バッハの「BWV 639 Color Organ」です。 ちなみに映画『ソラリス』の宇宙船の中に一度、写真集が登場します。また宇宙船のリヴィング内は、地球でつくられたアートの複製物で溢れています。すべては人間、人類の記憶の中のもので(それが人類の生きる道のごとく)うめられているわけで、亡くなった妻がこつ然とあらわれるのも記憶をどうしたらいいのか(それが人を楽しくさせるけれども苛ましもするわけで)、直面してしまうことになります。記憶について、先日のソクーロフ監督の「オリエンタル・エレジー」でもお婆さんに、「人生で一番楽しかったことは何ですか?」と聴いています。それで日本のそのお婆さんは「なんだったろうねえ〜」と返すのです。そんなのらりくらりとした感じだから、ソクーロフ監督もびっくりしたのかもしれません。おお、これぞオリエンタルな哲学、思想、文化なのではないかと。そして独特なエレジーとでも、感じとってしまったにちがいありません。闇の中にいる、幻のようなお婆さんは、いま何処にいるのでしょうか...