伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

ヨゼフ・スデックとプラハと樹木

syncrokun2009-09-11

本日はチェコの写真家ヨゼフ・スデックのマインド・ツリーを制作しておりました。あらためてスデックの写真だけでなく、右腕を失ってなお(だからこそなお)写真を深めていった人生がプラハの街のもつ深みとともに感じとられるのです。あわせてスデックが自身のスタジオの周囲の庭や友人の建築家の「マジカル・ガーデン」だけではなく、20年間もの間、夏になると重いカメラの木箱を背負って深い森の中に入り、森に射し込んでくる光や大きな古木をとり続けていたこと、日本の「書」からもインスピレーションをえていたこと、撮影中に音楽が聴こえてくること(彼はヤナーチェクの音楽をこよなく愛していた)、プラハ城とのなみなみならぬ関係などなど、ひとりの写真家から、オーラのように何層にも得るもの、感じるものがあるのがわかってきます(よく、世界を知るには日本の歴史の古層から入るのも手だ、ということにも通じるものです)。スデックの写真を通してプラハが、チェコが深々と流れていますから。やはり3年以内にはプラハに行かねばならぬ、と再確認した次第。ぜひスデックの「Q'bic」と「マインドツリー」を訪れてみてください。右上はプラハドナウ川にかかるチャールズ橋近くの小さな島の樹木の写真by Josef Sudek