伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

砂漠の「クジラ」=バオバブの木


南アフリカ共和国にある巨大なバオバブの木の映像です。画像の後半、この木の中に入っていきます。そこには.... このバオバブの木がある土地の部族は、どんなに天候が乾燥しても死にたえることはなかったといいます。それはバオバブの木が最大のものは10万リットルの水を蓄えているからです。「命の木」といわれるのはこのためです。サン=テグジュペリの『星の王子様』であまりに大きくなって惑星を壊してしまうバオバブの木が3本描かれてしますが、サン=テグジュペリはアフリカには郵便飛行で何年も行ってますから、この木の重要性は知っていたとおもいますが、火山と同じように何かの比喩(火山の場合は女性)のように手入れしてあげないと爆発してしまう、そんなおそろしくもある自然界のシンボリックなイメージがあったのでしょう。
アフリカではシャーマンやミュージシャンたしが亡くなると、水源として使われなくなったバオバブの木の割れて空洞になった所に、亡き人の遺体を安置する風習が今でもあるそうです。占星術は「月」、神性的には「霊界」とつながっている木と言われています。
また樹皮に内側は強い繊維質でできていて、ロープや縄をつくるときにも用いられますし、果実はタンパク質と油質に富んでいて部族の人たちの貴重な栄誉源にもなっています。
そのイメージは、まさしく日本の沿岸の人にとっての巨大な「クジラ」と奇しくも似ていないでしょうか。砂漠の「クジラ」、それがバオバブの木です。