伝記ステーション   Art Bird Books

あの「夢」はどこからやって来たのだろう?

発狂したニーチェ。死の前年の病床にて


1899年撮影、ヴァイマールにて撮影された病床のニーチェ。10年前の1889年にトリノで昏倒し、発狂したといわれています。近づく死を待っているかのようなニーチェニーチェの眼には何が映っているのでしょうか。
ニーチェは発狂する数年前に『善悪の彼岸』『道徳の系譜学』を自費出版しています。『ツァラトウストラはかく語りき』はもっと前の1883年、39歳の時に第一部を完成しています。昏倒の前年には『ニーチェワーグナー』『アンチクリスト』『この人を見よ』を完成しています。映像に少しだけ映っている女性は妹のエリザベスで、彼女が反ユダヤ主義者で(その夫も反ユダヤ主義者で後に自殺)、ニーチェの思想を後にナチズムに都合のよい方向へと改ざんしていったといわれています。最後はとんでもない妹に看取られてしまったものです。
ニーチェは、40歳頃から、定住地はなくなります。勤めていたスイスのバーゼル大学の年金をあてに、ジェノヴァ、ローマ、バーゼル、ジルス・マリア、ライピチヒなど、基本的にスイスやイタリアを中心に「エグザイル」しはじめます。何人かの友人・知人と交流したり、文通したり、おもわれているようには隠者のような暮らしではなかったようです。ジェノヴァでじゃサロンに出入りし、そこでルー・ザロメに出会い、三角関係になり、それが不道徳tに見えた妹から横やりをいれられたりしています。求婚しますが、あえなく撃沈。その頃から『ツァラトウストラはかく語りき』を書きだしています。
永劫回帰.....