2011-01-01から1年間の記事一覧
感受性が強く、臆病ではにかみや、性格が弱かったが、時にわけもなく怒り出す、烈しい気質を秘めた少年だった。得意だった絵は学校では評価されず。エミール・ゾラらと「三人組」と呼ばれ、詩を読みながらプロヴァンスを散策する日々。パリでは落選 ▶(1)…
セザンヌはなぜ「近代絵画の父」と呼ばれるようになったのか? セザンヌがぶちあたった困難とは。「模写」から個人の「感覚」へのジャンプ。一般的な解説がセザンヌの生涯をまるで面白みのないものに。セザンヌ少年を生んだプロヴァンスの色彩と光、そしてサ…
▶(1)からの続き:ブコウスキーは自伝的作品『くそったれ! 少年時代』の中やインタビューで、自身の子供時代をふりかえり、「喜びとは無縁で怯(おび)えてばかりだった」と語っています。何に対して怯えていたかといえば、父と母の無関心でした。おそら…
ブコウスキー伝—飲んで書いて愛して▶小説『町でいちばんの美女』『くそったれ! 少年時代』『プルプ』『ありきたりの狂気の物語』『ポスト・オフィス』『パンク、ハリウッドを行く』……。人生半ばをとうに過ぎてからダーティー・リアリズムのスター作家となっ…
人を動かす 新装版 ▶(1)からの続き:少年矢沢が繰り返し10回以上も読んだ本、それがデール・カーネギーの『人を動かす』だった。本当か?(よく読めば実際にそう書いてある)。実際、矢沢永吉はファンだけでなく、スタッフやグループ・ミュージシャン等、…
「音楽に出会って、スーパースターになると決めてからは、苦労が苦労じゃなくなった。土方やっても、フィルム運びやっても、つらくない。『そうだ。こういうふうに苦しいんだよな、最初のうちは。こういうことがあって、いろいろやって、最後にスーパースタ…
当時の「ニュー・ウーマン」だった母レオニー。茅ヶ崎に建てた小さな家の設計と「庭づくり」を少年イサムに任せる。指物師に弟子入りし大工道具を学ぶ。札幌モレエ沼公園の中核「遊び山」とは何だったのか www.youtube.comイサム・ノグチ(1)より: 27歳の…
「自分は、母の<想像力>の落とし子なのかもしれない。米国人の母レオニーから与えられた日本伝統文化という”ミルク”。最後の大仕事、札幌モレエ沼公園に結実するまで半世紀にわたって「遊園地」を理想の国として構想しつづけた理由とは。世界に誇れる公園…
偏愛するシェーンベルクの作品を演奏するグレン・グールドとメニューイン 「十二音技法」を生み出し<現代音楽の巨匠>と呼ばれるアルノルト・シェーンベルク。調性の破棄と不協和音を徹底的に解放した革新者シェーンベルクは、じつのところ「私は急進派の人…
ココ・シャネル 時代に挑戦した炎の女 (FIGARO BOOKS)(1)からのつづき▶エドモンド・シャルル=ルーが暴くことになったシャネル(シャネル・モード)の秘密とは何だったのでしょう。それはシャネル・モードの「基本色」と「シャネル・スーツ」の発想の<原…
サティ6歳、母が病死。父の両親の許へ。祖父がサティの「音楽好き」に気づき宗教音楽の教師を養成する音楽学校に入れる。「グレゴリオ聖歌」と読書に夢中に、風変わりな詩人と出会う。22歳、「ジムノペディ」を作曲。その楽譜を出版したのは楽譜出版を事業…
ノルマンディー地方の船乗りの家系だったサティ一族。父は数カ国語を操るものの学校が大嫌いな「音楽マニア」だった。母はスコットランド出身、嫁姑問題勃発。「変わり者」の遺伝子は奇人変人の叔父から受け継いだとも。母方の大叔父もまた変人。サティは大…
「モダン・デザインの父」W.モリスの感性の源流は、幼少期の遊び場だった「エピングの森」にあった。幾何学はクラス最低、歴史が好み。奇妙な手の癖。その森にあった古い小屋(その草木模様の飾り)がのちに手がける部屋の原型に www.youtube.com ウィリアム…
「私はとても早くから、14、15歳の年からすぐに、自分は浮浪者か泥棒にしかなれないだろう、と分かった。もちろん、無能な泥棒に、だが結局、泥棒にだ。社会における私の唯一の成功は、バスの車掌とか肉屋の見習いとかの領域だったのかもしれない…。このよう…
ココ・アヴァン・シャネル 上—愛とファッションの革命児 (ハヤカワ文庫 NF 350) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 「わたしの人生はずっと幼年時代の続きだった。人間の運命が決まるのはまさにこの時期よ。その頃の夢が一生を左右する。何から何まで全部覚…
ヴィスコンティ映画『ヴェニスに死す』。マーラー交響曲第5番アダージョが全面的に用いられてているだけでなく、マーラーへのオマージュから、トーマス・マンの原作にある主人公が、小説家から作曲家・指揮者へと変わっている マーラー—未来の同時代者▶作曲…
▶(1)からの続き:「作曲職人」となった父レオポルド・モーツァルトは、受難曲からオラトリオ、セレナードにトリオ、シンフォニー、劇場音楽に管楽器ソロの協奏曲、ディヴェルティメントなどなど、教会用であれ世俗のものであれ何でもこなしていったようで…
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。この音楽史上最も有名な「神童」にして、無限の音楽の可能性が体現された奇蹟の音楽家は、何世紀にもわたって「天才」として呼ばれてきました。日本でも評論家・小林秀雄が「モーツァルト」についての一文を戦中…
「創造するとは、つねに幼年時代について語ることだ。それはつねに懐古的(ノスタルジー)なのだ。とにかく私の書くもの、それに現代の作品の大多数はそうだ。…13歳まで公立の小学校に行ったが…作家がどのようなものか、私はまだ知らなかった。世界を観察す…
ロバート・アルトマンが監督として製作に加わった『ジェームズ・ディーン物語ーThe James Dean Story』(1957 32歳の時)ー事故の再現シーンはアルトマン本人が運転している 映画『M★A★S★ H』や『プレイヤー』『ショート・カッツ』(あの村上春樹氏訳のレイ…
「落水荘」は、帝国ホテル設計の依頼を受け、日本に滞在の折り、箱根山中の「自然」の懐に抱かれた別荘の佇まいからインスピレーションを受けていた米国の稀代の建築家フランク・ロイド・ライトについては、「建築」という専門性が高い職業のため、彼が手が…
映画『夢』(監督:黒澤明)より 牧師の息子フィンセント(ヴィンセント)・ファン・ゴッホが、「画家」を本格的にめざしはじめたのは27歳の(1880年)頃と、今日画家やクリエーターをめざす人からすればかなり遅い方に感じられます。14歳年上のセザンヌは21…
「無数にあるシステムそれ自体を語ることに、いったいどんな意味があるのか? 大切なことはまずどういう選手がいるか把握すること。個性を活かすシステムでなければ意味がない。システムが人間の上に君臨することは許されないのだ。日本人は平均的な地位、中…
掲載のYoutube2分後に現役時代のイビチャ・オシムの写真がでてきます 「そもそも監督と呼ばれることが嫌いだ。私の国では監督をトレーナーというが、もともとの意味は調教師だ.....だが、私は調教師ではない。あえていうならば『教師』だと思う。調教師と教…
世捨て人的な孤独感漂うシュールな作風と、その底にこびりつくようなユーモア感で、日本漫画界に独自の表現と陰影を生み出したつげ義春。その作風にはつげ義春の自画像が喰い込むように映し込まれていました。”根強い”ファンがをもつ一方、つげ義春自身はま…
映画『カポーティ』よる/一家殺人事件を取材し『冷血』を書き上げるカポーティ。他にカポーティのノンフィクション・ノベル『冷血』を映画化した映画『冷血』もある ▶(1)の続き:母方の親戚で小学校の教師キャリーが、隣人の盲目の元大尉のために新聞を…
19歳の時の処女作『ミリアム』(1943年)がオー・ヘンリー賞を受賞して以降、アンファン・テリブル(恐るべき子供)としてその名を轟かしはじめたトルーマン・カポーティ。オードリー・ヘップバーン主演で映画化した『ティファニーで朝食を』、『遠い声・遠…
「スウィンギング・ロンドン」時代の流行の発信地であり伝説のブティックとなった「BIBA」。創業者のバーバラ・フラニッキの名前を知らなくても60s、70sファッション好きな人なら、「BIBA」の名前を知らずに通ることはないでしょう。当時、青春を送った日本…
「コンピュータ」産業に革命を起こしたアップルからの追放後、「映画」産業で革命を起こし、さらにアップルでの第二ラウンド、「iTune」「iPod」で音楽ビジネスに革命を起こしアップルに再臨した共同創業者スティーブ・ジョブズ。そのタフな起業力とリーダー…
地球を駆けぬけたカリフォルニア作家—写真版ジャック・ロンドンの生涯作家ジャック・ロンドンの名前は、犬のバックを主人公にした小説『荒野の呼び声』で日本でも名高く、同書が突出して知られすぎたため、作家ジャック・ロンドンの人物像が日本ではほとんど…